コーチは15世紀頃にハンガリーの都市「コチ (Kocs)」で製造されたサスペンション付きの4輪馬車に由来する。
コーチビルダーとは馬車や自動車、バス、トラック等のボディを専門で手掛ける製造会社のこと。製造したボディと別の会社が製作したシャシーを組み合わせる作業のことをコーチワーク(coachwork)と呼び、イタリア語ではカロッツェリア(carrozzeria)と呼ばれる。また、コーチビルダーでのボディ製造には加工がしやすいアルミニウムが使われることが多い。
1910年代~1940年代頃、ボディ製造には特殊な技術を要するため多くの車両会社はコーチビルダーと製造契約を結んでいた。イギリスの自動車会社ジャガーもかつてはコーチビルダーであった。
第二次世界大戦後、車両会社がボディ製造を自社で手がけるようになると、多くのコーチビルダーはピニンファリーナやジウジアーロのような著名なデザイナーと連携し、富裕層向けの高級かつ少量生産に特化するようになった。
自動車製造におけるボディのモノコック構造の採用が一般的になってくると、ボディだけ別で製造する手法が困難になり、多くのコーチビルダーは事業の継続が困難になっていった。
|