*1 シュトゥットガルト市の紋章, *2 ヴュルテンベルク州の紋章
ポルシェのエンブレム・ロゴは2つの紋章を組み合わせている。外側はかつての西ドイツ・ヴュルテンベルク州の紋章に由来し、中央の「跳ね馬」はポルシェの本社があるシュトゥットガルト市の紋章に由来する。シュトゥットガルト市はかつてのヴュルテンベルク州の州都であったが、現在は合併されたバーデン=ヴュルテンベルク州の州都である。シュトゥットガルト(Stuttgart)の「Stutt」はドイツ語の雌馬「Stuten」に由来し、「gart」はドイツ語の庭「garten」に由来する。シュトゥットガルトは日本語にすると「雌馬の園」という意味になる。
ポルシェ (正式名:Dr. Ing. h.c. F. ポルシェ AG) は、チェコのエンジニアであるフェルディナント・ポルシェにより1931年に設立された。設立当初は、自動車開発業務の受託とコンサルティング業務が主であり、自動車そのものを製造することはなかった。第二次世界大戦中には重戦車の設計にも関与している。
ところで、ポルシェのエンブレム・ロゴの由来には3つの説がある。アメリカ人側の主張によると、1951年にニューヨークのレストランで、フェルディナント・ポルシェの息子のフェリーとアメリカのポルシェ輸入販売業者であるマックス・ホフマンが食事している最中に、フェリーがナプキンに描いた紋章の絵が元になったとのこと。その絵をフェリーがドイツに持ち帰った後、企業ロゴとして仕上げたと言われている。一方で、ドイツ人側の主張によると、ポルシェのエンブレム・ロゴは、1937年にフォルクスワーゲンの企業ロゴをデザインしたフランツ・クサヴァー・レインピーズによってデザインされたとのこと。第三の説として、両方の主張が正しい可能性もあり、フェリーがアメリカから持ち帰ったデザインをフランツ・クサヴァー・レインピーズが仕上げたという可能性もある。いずれにせよ、1952年末、ポルシェ356 スピードスターのステアリング上に最初のエンブレム・ロゴが採用され、1954年11月にはボンネットハンドルの上にも採用された。
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