ロールス・ロイスのエンブレム・ロゴのRとRの組み合わせは、フレデリック・ヘンリー・ロイスが作った試作車に感銘を受けた貴族、兼ビジネスマンのチャールズ・スチュアート・ロールズの二人の名前の頭文字に由来する。エンブレム・ロゴの文字色は元々は赤色であったが、1934年にフレデリック・ヘンリー・ロイスが亡くなり、ロイスの喪に服して文字が赤から黒に変えられた。
ボンネットには羽根を広げた立体的なマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」が装着されており、一般には「エミリー、シルバー・レディ、フライング・レディ」で知られている。1902年に発売開始された自動車雑誌「The Car Illustrated」の編集者、兼政治家のジョン・ダグラス・スコット・モンタギューが、自ら所有する1909年式 ロールス・ロイス・シルヴァーゴーストに相応しいマスコットを装着したいと考えたことがこのマスコットの原点である。モンタギューは友人の彫刻家チャールズ・ロビンソン・サイクスにそのマスコットの製作を依頼し、サイクスはモンタギューの秘書のエレノア・ヴェラスコ・ソーントンをモデルに、羽ばたくローブ纏って人差し指を唇に付けた若い女性の像「ウィスパー」を製作した。この像をベースにして「スピリット・オブ・エクスタシー」が仕上がり、1912年にロールス・ロイスの正式なマスコットとして採用されることとなった。
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